1.緊張感の増大 †
ゲームをやっている最中の緊張感。スリルなどと言っても悪くはないが全く同じものではない。一般に、常に死(ゲームオーバー)の危険性がある状態や、賭けられているものが巨大であるほどに緊張感は持続・増大する。
2.緊張と弛緩/緩急効果 †
シューティングゲームなどではごく基本的な手法。常に敵の攻撃がバンバンと繰り返されているだけでは単調だし、プレイヤーの集中力もどこかで糸が切れてしまうので、いっせいに攻撃が繰り出されてきたかと思って必死になっているとピタッと止み、止んだかと思うとまたいっせいに攻撃の的になる。このパターンの繰り返しで緊張と弛緩を繰り返すことによって、プレイヤーの緊張感を生かさず殺さず持続させていく。 特に油断していた時に突然何かをやられると非常にあせるので、単に攻撃をバンバン繰り返されるよりも緊張する。特にプレイヤーが弛緩して油断しきった後にいっせい攻撃されたりすると対応できなくなったりするので難易度アップの手法としても有効。シューティングゲーム以外にもたとえば『ぷよぷよ』の「とことんぷよぷよモード」でもこの手法が使われている。
3.緊張という概念のブレ †
ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』に、「緊張」という言葉についての考察はなかなかに面白いところを衝いている記述がある 「この緊張の要素こそ遊びの中では特に重要な役割を演じている。緊張、それは不確実ということ、やってみないことにはわからない、ということである。」(36頁) おそらく「緊張」ということは心理的なものと身体的なものとのイメージがかなり交じり合ってしまっている言葉である。心理的に「緊張する」と言ったとき、それは「この後どうなるかわからない」という不安だと結びつき混沌としたものがある。一方、身体的な「緊張」には「ガチガチに固まる」という硬直したもののイメージがある。
「緊張し、はりつめた線」 「緊張してドジをしている人」 「本番が近づいて緊張してくる」 「緊張感のある作品」 「緊張感を持って仕事している」
これらの「緊張」という言葉の使われ方はけっこう違う。 っていうか「(緊張して)アガル」というのと「集中している」「気をはりめぐらせている」というのはかなり別の意味だろう。