サントリー学芸賞も受賞した本格的な遊び論を目指した一冊。カイヨワほど体系的なものではなく、「遊び」をとらえにくさというものをかなりそのままに書いているといった印象をうける。 カイヨワに対するごく妥当な反論なども、まあそうだろうな、と思わせるが、まだツメの甘さを感じないでもない議論がちょぼちょぼとある。体系的な議論よりも遊びの周辺部をとりあげて厳密に考えることを目指す、といったスタイルなので、どうしても全体としての見通しはあまりよくないが、ヒントになるような思索は多い。