パイロットウィングス64



 空を飛ぶ夢を見た。

 空を飛ぶ感覚が確かに夢の中に存在した。

 どうして、空を飛べたのか。
 空を飛ぶ感覚をどうして自分が感じることができたのか、

 空を飛ぶ感覚を思い起こしてみると、
 それは確かにパイロットウイングスで感じた感覚ではなかったかと思えた。

 なんだ、ゲームか、となるのか。
 ゲームのおかげなのか、となるのか。

 私はゲームのおかげだと思えた。
 夢の中で、私はとにかく気持ちがよかった。

 小学生の頃にも、空を飛ぶ夢は見た。何度も見た。
 だが、その時は墜落した。何度も墜落した。

 空の飛び方がわからなかった。
 それゆえに、墜落してゆく恐怖で目が覚めた。

 最近の空を飛ぶ夢は全て、気持ちがいい。
 風に上手くのって、空を飛ぶことに成功している。
 そして、私の知る世界を見下ろして、高速で空を飛んでいる。

 この空を飛ぶ感覚がほんものであるかどうかはわからないが、
 私は空を飛ぶ感覚を覚えている。
 空の飛び方を覚えている。
 それゆえに、私は空から墜落することはない。

 ずっと飛んでいられる。
 夢の中で。