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2004年09月11日(はてなダイアリーバックアップ用ミラー)
■『サーヴィランス』は「やるドラ」の中では改心の出来でした。
これはいいです。「マルチシナリオ」でもなく「マルチエンディング」でもなく、いわば「マルチパースペクティブ」。ようやく「やるドラ」というジャンルが、リアルタイムで物語進行が行われるという要素を足枷としてではなく、武器として、リアルタイムムービーを用いることの可能性を見せ始めたな、と感じさせてくれました。
購入したその日にクリアーできるぐらいのボリュームです。
具体的にどういうシステムか、というと、複数のモニターを切り替えて、特殊警備部隊(攻殻機動隊の公安九課のような組織)を、サポートするデータ解析屋さんをやるわけです。攻殻好きな人に説明するとすれば「少佐」や「バトー」ではなく「イシカワ」をやるゲームだとでも言っておけばいいでしょうか。
まず(1)データ解析をその時々に適切に行わないとゲームオーバー、という形のシステムを用意してやることで、プレイヤーに常に緊迫感をもたらすことに成功し*1
(2)複数モニターで映像が同時進行されることによって、モニターの数だけやりなおす価値がある――そのことがリプレイ(リトライ)することによって、プレイの一回性が損なわれないような構造を成立させることに成功させているわけです。しかも、複数モニターで物語が別途にリアルタイムで展開されるということは、逆に言えば、一回のプレイではプレイヤーは物語を完全に追うことができず、リプレイ(リトライ)することこそがプレイヤーにとっても最適なプレイ環境として機能しうる形になっている。
これらは2001年に同社から発売された『BLOOD』なんかだと全部、失敗していた要素だったのですが、それを基本的なシステム設計をがっちり考えなおしたことによって、物語ゲームとしての「やるドラ」の孕んでいた問題点のほとんどの部分を上手くまとめあげてしまっています。
拍手。ほんとにエライ。
*1:しかも、解析対象を見つけるための難易度設計も程よいです