サイト内検索で拾うためのはてなミラー。

ビデオゲームをめぐる問いと思索 http://www.critiqueofgames.net/

« ここのところ、80年代ゲーム雑誌、関連書籍等をあさってます。 | メイン | 20代男性右傾化? »

2004年08月24日(はてなダイアリーバックアップ用ミラー)

 「w」が「笑」と同じものに見えてきた。

「w」という記号をはじめて見たのは、3年ぐらい前だろうか。

PSOをやっているときに、まわりの人々が「w」という記号を多様しているのを見てまったく意味不明で何をやっているのやら全くわからなかった。その直後に「w」というのは「笑」の意味だということを友人から教わったが、日本語の語彙体系の中に、何か意味不明な記号が一個まじっているような気分がしていた。

その後、とりあえず「w」の意味を教わってからも「w」の表記をみるのは、2chで見かけることが圧倒的に多かったので、「w」には(笑)の楽しそうな雰囲気とは別途に、もっと嘲笑するような意味合いを感じていたのだけれども、気がつくと、最近は「w」もものすごく一般化してきた感がある(少なくとも自分のまわりでは)。

「w」とかいうわけのわからない記号を使う人の気がしれないと思っていたが、いつのまにか「w」と書かれれば、それをきちんと(笑)と同様の意味で瞬時に理解できる回路が成立してきていた、ことに、今日、ふと気がついた。

同様に (^^) や m(__)m (^^;) (^▽^) などといった顔文字の類も、3年ぐらい前はとうてい自分が馴染めるものだとは思ってなかったが、これもいつのまにか馴染んでしまった。

顔文字なんて、絶対に最悪のセンスだと思っていたのに、本当に、ここ2,3年の間に、馴染んだ、というか馴染まされてしまったというか、今年ぐらいからその便利さに屈して、自分でも使うようになってしまった。

自分と同じように「馴染んでしまった」人々がどのくらいの数いるのかわからないけれども、顔文字に代表されるようなネット独自表記の文化的ポジションは1999年や2000年の頃と比べると、ゆっくりとではあるが、確実に変わってきているのではないかという気がする。

一つの文章の中に1つや2つぐらいの割合で、敵意のないことを簡単に伝える(^^)にはもはや全く違和感はなくなったし、最近では、「2行に一つぐらいの割合で顔文字を使う人」すら、特殊な印象はじょじょに薄れゆき、「ぱど厨」の圧倒的な異様さを見てしまったら、それすらもものすごく普通に見えてしまうという構図になってきているように思う。(#それに、携帯メールをほとんど使わないからすれば驚くべきことなのだけれども、携帯メールを多様する女性の多くが、ものすごい頻度で顔文字を使いまくっているようだし。この前、実の姉から顔文字だらけのメールをもらって、ビビってしまった。)

逆に考えると、もしかすると数年後には、逆に「全く顔文字を使おうとしない」「使うことを拒否し続ける」人のほうがそこでは相対的にマイノリティとなってしまい、「特殊な人々」としての地位を獲得してしまう可能性もあるわけだ。

で、現在「ぱど厨」としてネット進出してきた人々は、10年後、20年後ぐらいになっても、今のところ異様なものにしかみえない「ぱど厨」の表記を使い続けるのだとしたら、一体どうなるのだろうか。そのときはまた、今の「ぱど厨」すら普通に見えてしまう、新たなる異様さを兼ね備えた文字表記を用いる人々が登場するのだろうか。