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2003年06月04日(はてなダイアリーバックアップ用ミラー)

ブレスオブファイアVが方向転換したのはなぜだろうか。

ブレス オブ ファイア V ドラゴンクォーター

友人から借りたブレスオブファイアVをクリアーする。

ブレスオブファイアーシリーズは、一応シリーズ一作目から四作目まではプレイし、三作目以外は全てクリアーしているが、ブレスオブファイアVの方針変更は意外だった。

ブレスオブファイアシリーズといえば、私の中でのイメージとしては、日本一、手堅く「和製RPG」というジャンルの「正統派」を延々と作っているシリーズというイメージがあって、今までのブレスオブファイアシリーズにはどの作品にも、今まで「和製RPG」というジャンルでなされてきた創作の技術がFFよりもDQよりもぎっちりと研究し尽くされて、凝縮されていた。

それが、PS2参入後初の5作目にして非常に大きな方向転換をしたのだ。今までの作品は基本的にはよく出来たファンタジーの世界(というか、ありがちなRPGの世界、と言ってもいいが)を10代の少年少女達が冒険するというごく「普通」の設定の作品だった。だが、今回は、舞台が地下。地上を目指して延々と洞窟の中をつきすすみながら冒険が展開してゆくというだけである。イメージとしてはアフタヌーン連載の漫画『BLAME!』や、松野泰己の『ベイグランドストーリー』に近い。そして、エンディングテーマが鬼塚ちひろ、という設定な上、主人公も目の下にクマのあるようなシンジくん系の少年で、陰鬱なムードの漂う話になっている。

作品自体のクオリティは安心できる水準にあり、プレイしていて特に不満はないのだが、何よりもこの方向転換が決断したカプコンの意思決定過程のほうに興味がわく。

ブレスオブファイアシリーズは基本的にはライトユーザーにも通じる全方位型の作品作りだと思っていたのだが、本作は少なくともライトユーザー志向ではない。これは、つまり、いままでの作品のユーザー層を分析した結果として、ライトユーザーがあんまりいなかったから、コアユーザー路線に転換しても問題ないや、ってことなんだろうか。

まあ、実際、FFやDQ以外、スクウェア以外のRPGをやっているユーザーなんて、ほとんどライトユーザーではないというのが現状だろうから、本作の果たした方向転換はそれを見込んでのことなのだろうか。