Critique Of Games ―ビデオゲームをめぐる問いと思索―

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 飛行機などを操作した時、はじめのうちは「飛行機を操作している」ということに喜びを感じる……というか「大きなものを支配している」だとか「空を支配している」というようなある種の支配感、「何かを手に入れた」という感覚が伴っていると思うが、次第にそういった感覚は薄れ、「巨大なものを動かしている感覚」はいつのまにやら「この飛行機を動かすことは自分の身体を動かすことの延長線上にある」という感覚になっていくことだろうと思う。そうなると「何か大きなものを支配している」という感覚はなくなり、ただ自分の進退を動かすような「歩く」だとか「走る」とかといった行為の一つになってくる。
 そのような支配感喪失の過程は、ただ単にその乗り物を操作すること(あるいはゲーム上のキャラクターを操作すること)への「飽き」でもあるが、同時にそれは「なれる」という過程でもある。「なれる」ということの後には、ただ単に乗り物(身体)を操作することを楽しませるというだけでは不十分であるが、逆にそれは、その乗り物(身体)を使って何をできるのか、どのような外への働きかけができるのか、ということを楽しませてゆくための準備段階が終了した過程である、と捉えることもできる。 
 つまり、支配感の喪失と、インターフェイスの身体化は引き替えにおとずれるのである。
 つまり、支配感の喪失と、インターフェイスの身体化は引き替えにおとずれるのである。

*関連 [#j9c1a341]

-インターフェイス、ヴィークル、PC
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-記事[[:井上明人]]
-カテゴリ[[:概念]]