Critique Of Games ―ビデオゲームをめぐる問いと思索―

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ゴーストバスターズ Ghost Busters

「もはやゲームになっていない」(ファミ通オールゲームカタログ1991より引用)

徳間書店 ファミリーコンピュータ 1986年 購入価格280円

下記 1999年プレイ時にファミリーコンピュータ版『ゴーストバスターズ』について書いたもの


 題名からわかるとおり、このゲームは大ヒット映画『ゴーストバスターズ』のタイアップゲームである。
 タイアップゲームと聞くとまず、だいたいの人があまりたいしたゲームではないだろうな、と考えるだろうと思う。実際、アニメや映画などのタイアップゲームというと、中途半端に面白いぐらいのアクションゲームか、アクションにもできないようなタイプのものならばミニゲームを詰め合わせただけ、というようなものがほとんどだといったようなところだろう。が、ゴーストバスターズ(徳間書店)についてそういったタイアップゲームの常識は当てはまらない。いやタイアップゲームどうこう以前にゲームの常識自体があてはまらないゲームである。アクションでもない、レーシングでもない、シュミレショーションでもない。じゃあ一体このゲームのジャンルをどう呼べばいいのか?
 あえてこのゲームをジャンルわけするならば「謎ゲー」である。

 では、「謎ゲー」とは一体いかなるゲームなのか、以下は私がゴーストバスターズ(徳間書店)に立ち向かった記録である。

一回目

3年前に購入してから、あまり使われていないニューファミコンを引っ張り出して、ゴーストバスターズ(徳間書店)を突き刺し、電源を入れると、TV画面にゴーストバスターズのロゴが表れ、その下に「PUSH START BUTTON」の文字が点滅している。
 どうやらオープニング画面らしい。
 正直にスタートボタンを押すと、画面から「ゴーストバスターズ!!」という声がでた。当然ファミコンなので、本当に「ゴーストバスターズ」と発音しているのかどうかが怪しい、ものすごく粗い音声だが、ファミコンにしては頑張っている方だろう。
 次に、画面上に目をやると……マスメ上の都市(なのだろうと思う。多分)の中央に先ほどのゴーストバスターズのロゴマークがポチョンとある。
 十字キーを動かしてみると、自分の押したキーの方向と同じ方向にロゴマークが動く。どうやらこれがプレイヤーのキャラクターであるようだ。
 他に、画面下に「PK ENERGY」と「10000$」の表示がある。10000$というのは手持ちの金額だろう。PK ENERGYというのは何に使うのかはわからないが、どうやらゲームを進めるのに必要なものなのだろう。
しかし、このキャラクターは一体何者なのだろうか?ただのロゴマークではなかったのか?そして、このキャラクターを使って一体何をすればいいのか?当然ながら説明は無い。説明書を読めば書いてあったのかもしれない。まぁ、初期のファミコンにはそういうものが結構多いので、このぐらいは仕方がないだろう。
その次にとりあえず、Aボタンを押してみると、下に「ビームを持ってないよ」とのテロップが流れた。ほう、どうやらビームというものを手に入れる必要があるらしい。そして、続いてBボタン、セレクトボタン、スタートボタンと押していく。Bボタンを押すと、白いウィンドウが、セレクトボタンでポーズ。スタートボタンに意味は無いようである。
 さて、これをどうするのだろうか、と考えていると、すぐに画面の4隅から幽霊らしきものが出現。だいぶ迫力に欠ける幽霊だが、ゴーストバスターズなのだから、この敵は霊以外には考えられまい。
 4隅から出現した幽霊は対角線上を移動して中央の建物、ZUULと書かれている場所に入っていき、入ったと同時に次の幽霊がまた画面の隅から出現し、同じルートで同じ場所に入っていく。特にプレイヤーを狙ってくることは無い。特に何かしなくても至って安全のようである。しかし、このままでは何も進むことがなさそうである。取りあえず、幽霊の前でAボタンBボタンを押してみる。先ほどと同じく「ビームを持ってないよ」と流れるだけで、何も起こらない。仕方が無いので、幽霊に触れてみると、幽霊が止まった。まるでバグを起こしたかのように。しかも止まっただけで何も起こらない。

電源を切って夕飯を食べに向かった

二回目

 その日の夕飯を食べ終えた後、再度ニューファミコン(5000円)を起動させた。
 前回と同様、幽霊は触れると停止するだけ。ボタンを押しても「ビームがない」といわれるだけである。
 基本的に何をやればよいのかが全くわからない。が、くじけずに再度、画面を眺める。

 今度は建物に注目してみることにした。
 画面上に表示されている建物は5×5で25個。建物の上を横切ることはできない。
建物の種類は、まず煙突から煙を出している工場らしきものが10個。4階建てのビルと3階建てのビルが一緒になっている住宅地だか何なのだかよくわからないものが11個。他に文字の書かれた建物が4つ。それぞれGBHQ、GS、ZUUL、SHOPと書かれている。工場らしきものと住宅地らしきものは、たまに赤く点滅する。点滅するからと言って、近づいてボタンをおしてもまた「ビームをもってないよ」といわれるだけ。何ら進展はない。
 そこで、GBHQという文字の書かれた建物に接近し、Aボタンを押してみたところ、画面が切り替わった。
 何故か突然、道路の真中を白い車で走っている
 そして対抗車線から灰色の車が2台、こちらを邪魔してきたので、とっさにかわす。
かわして少しするとまた灰色の車が2台セットでこちらに向かってくる。今回はあたってしまい、横に「-500」の文字が出てきた。多分お金が500$減ったということなのだろう。たまにドラム缶や幽霊などが道に転がってい るのが見えるが、それもかわして、走行。
 数十秒すると車が自動的に停止した。
 そして右に見えるGBHQと書かれた建物から3つほど人らしきものが車に乗り込んできた。
 そしてまたマスメ上の都市の画面に戻る。
 一体あの道路で走ったのは何の意味があったのか。進展(らしきもの)はあったが謎はさらに増えてしまった。

 電源を切って風呂へ入りに向かった

 

三回目

その日。風呂をあがった後、再度ニューファミコン(Ejectボタンが無い)を起動させた。
しつこいようだが幽霊は触れると停止するだけ。ボタンを押しても「ビームがない」といわれるだけでビームがどうすれば手に入るのかは一向にわからないままである。

今度は前回、GBHQの前でAボタンがあったのを参考に、他の建物の前でも、Aボタンを押してみることからはじめた。
画面中央にあるZUULと書かれた建物のまえでAボタンを押してみる。「ビームをもってないよ」。もう一度「ビームをもってないよ」。もう一度「ビームをもってないよ

………
………まぁ幽霊の入っていく建物だから何か特別な建物なのかもしれない。

くじけずに、今度はGSと書かれた建物の前でAボタン。
突然画面が変わり、また車が走っている。障害をよけながら、しばらく走ると車が停車、GSと書かれた、四角いものが道路の右手に表れる。
「グイーン」という効果音が鳴る。
ふと画面の下の方に目をやると E……F と書かれたメーターがFの方向に向かって伸びる。…多分ガソリンのEmptyとFullのことなのだろう。
そしてGSはガソリンスタンドの略なのだろう。
また、画面はマスメ上の都市へと戻り、最後にSHOPと書かれた建物の前でAボタン。
ビームがないよ、とは言われずに、道路を車のはしる画面に切り替わる。
どうように障害物をよけながらいくらか走行すると、停車画面が切り替わる。

GHOST VACUUM      $2500
SOUND GENERATOR  $100000
CAPTURE BEAM  $ 3000
HYPER BEAM      $12000
GHOST FOOD     $ 2000

み…店だ。しかもビームが売ってる!!
SHOPと書かれていたのだから当然と言えば当然だが、ようやくビーム(キャプチャービーム)を購入に成功した。
スタートボタンでまたマスメ上の画面に切り替わる。
そしてためしにビームを使ってみようと思い、Aボタンを押してみる。
下にテロップが流れた。「トラップをもってないよ

………
…………………トラップって何?

電源を切ってを押して布団に向かった。

 

四回目

翌日、朝食後にニューファミコン(任天堂製品)を起動させた。

ビームだけではなくトラップも必要だということを知ったので、今回はトラップを探しに、延々と車を走らすことにした。
もしかしたらトラップは道路に転がっている障害物かもしれない。
対抗車線からやってくる、車に当たってみる。お金が減るだけである。
幽霊に当たってみる。素通りするだけである。障害物でもなかったらしい。じゃあ一体道路上の幽霊は何のためのものなのだ?
ドラム缶に当たってみる。ガソリンが増えた。どうやら、エネルギー補給アイテムであって障害物ではなかったらしい。

ではトラップはどこに?
GBHQは相変わらず意味不明。
GSもガソリン補給をするだけ。
ZUULは入れない。
SHOPのあの5つの品物にはトラップは含まれていない。

仕方なく、車を走らせる。
どうやら車を前の方に押し出すと車のスピードが上がるようだ。
ドラム缶の置いてある位置は一回とったらずっと同じポジションから変わらないようだ。
以上、2つの収穫を得たが、トラップは見当たらず。

そのうち、ガソリンが減ってくる。
ガス欠になった。
画面が切り替わる。
 

「BAD LUCK!! …… …… …… …… …… THE GAME IS OVER!!」

 

やった。はじめてゲームオーバーだ!
あれでゲームしてたんだ!

 

五回目

一週間後、従兄弟が家に来たので、ゴーストバスターズ(徳間書店)をやらせる。
従兄弟はマスメ上都市の画面で下に表示される「PK ENERGY」と書かれた数値に着目。
「PK ENERGY」は何もやらずとも勝手に増えていく。全く意味が不明だったので今まで放っておいた。 
従兄弟の案はこうだ「とりあえずPK ENERGYが勝手に増えるところまで増やしてみる」
それに、賛同し、とりあえずマスメ上都市の画面で何もせずに数分間放っておいた。

1000…2000…3000…4500…5000…8000…8500

8500まで行ったところで、突如、4隅からせまる幽霊の速度が速くなり、下にテロップが流れた「ズールに入りなさい」「ズールに入りなさい」
どうやら、ズール(ZUUL)に入れるようになったらしい。
どうすればいいかわからない従兄弟からコントローラーを受け取ってズールの前で、Aボタンを押す。
画面右上から、映画に出てきた悪霊の取り付いた巨大人形がやってきて、街が虹色に点滅したあと、画面が切り替わる。
 
 

「BAD LUCK!! …… …… …… …… …… THE GAME IS OVER!!」
 
 

どうやら、ゲームオーバーらしい。
……
……何が悪かったのか、何故ゲームオーバーになったのかわからない。

 

六回目

4日後。友人Yが家に来たのでゴーストバスターズ(徳間書店)をやらせる。
前回までの進展状況を話したところ、もう一度PKエネルギーを貯め「ズールに入りなさい」という表示が出たら間髪をいれずにズールに入ったらどうか、という話になる。
ためしにやってみたところ、画面が切り替わり、ここでも道路の画面になることに成功した。
そして車が停止して画面が切り替わる。

画面はドンキーコング型のアクションゲームの画面で、主人公らしき人物が銃らしきものを何かもっている。
周囲では幽霊が浮遊している。
これで、どうやら何とかなりそうである、このゲームはここで、アクションゲームとして遊べばいいのだろう。
十字キーを押して操作を試みる。
左を押す。
プレイヤーが一歩(3ミリ程度)左へ動いた。
左を押しつづける。
プレイヤーが一歩だけ左へ動く。スムーズに動くことはない。あくまで一歩しか動かない
左を連打する。
プレイヤーが一歩。さらに一歩。もう一歩。一秒間に4歩程度歩く。

が、幽霊は普通の速度でこちらに近づいてくる。
一撃を喰らう。
更にもう一撃。どうあがいてもよけることができない。
そして更にもう一撃。画面が虹色に光る。画面が切り替わる。
 

「BAD LUCK!! …… …… …… …… …… THE GAME IS OVER!!」

 

BAD LUCK……っこれ、運が悪いのではなくて、このゲームは不可能だ

 

七回目

 3週間後。久しぶりにニューファミコン(ゴーストバスターズ専用ハード)を起動する。
 とりあえず、SHOPに入ってビームを買いに行く。
 それからSHOPの抜け出し方がわからなくなり、十字キーで下をずっと押していたら、表示されている商品が変更された。

GHOST ALARM   $ 2000
ANTI-GHOST SUIT $ 20000
CAPTUER TRAP   $ 1000
SUPER TRAP     $ 5000

 何だ、下キーで商品が切り替わるんだ。
 しかもようやくトラップ発見
 
 ビームとトラップを買って、赤く点滅する建物の前でAを押すとそこで、道路画面に切り替わるようになる。
 車が停車した後は、幽霊のふわふわと漂う中……

 …もう書く気力がない…
 

2006年1月追記

 この記事を掲載してから何人かの方に教えていただきましたが「このゲームは映画と説明書をきちんと理解すれば、一応のプレイはできるようになっている。ゲームバランスがひどくて遊びづらいのは事実だけど。」とのことです。

 ゲーム『ゴーストバスターズ』の制作者は、実はゲーム史上に名前を残すアタリ出身の有名なゲームデザイナーです。  そもそもは、パソコン用のゲームとして「それまでにないゲームを!」ということで開発されました。  ゲームプレイの方法がわかりにくいのは、そのためでもあります。

 なお、『ゴーストバスターズ2』のゲームは、ハル研が制作しています。